個人的にラン本№1【非常識マラソンメソッド】
この本を手に取ったときの第一印象。
「な、なんて胡散臭いんだ」
だって、副題が
「ヘビースモーカーの元キャバ嬢がたった9ヶ月で3時間13分!」ですよ?
いかにも・・・って感じの宣伝文句じゃないですか。
しかし、内容はいたって真面目。
著者の岩本能史さん独自の理論が、明確な根拠と共に説明されています。
今まで読んだラン本の中で、最も得るものが多かったです。
特に目からウロコが落ちたのは3つ。
シューズ、ランニングフォーム、トレーニングです。
①シューズ
レベルにかかわりなく、ランナーはみんな薄底シューズを履くべき。
【根拠】
・ランニングシューズはソールが高く(厚く)なればなるほど、足元が不安定になる。
(ハイヒールよりもスニーカーのほうが歩きやすいのと同じ理屈)
・ランニングでは、一歩の動きの中でシューズが着地しているのはごくわずかの間で、
70%以上は宙に浮いている。シューズが重い(厚い)ほど、宙に浮いている足に対して
ねじれが加わって、膝の痛みや故障の誘因となる。
・薄底シューズは着地時に地面から跳ね返ってくるエネルギーを、無駄なく推進力に変えられる。
一方で厚底シューズはクッション性により、跳ね返ってくるエネルギー自体を殺してしまう。
②ランニングフォーム
骨盤が前傾すると背すじが伸び、腰高フォームが取りやすくなる。
カラダの上下動によるエネルギーロスが少ない腰高フォームは、ランニングの基本。
どの本にも「腰高フォームで走りなさい」と書いてあります。
この本も例外ではないのですが、腰高フォームになるための方法として
分かりやすかったのが、骨盤の角度を前傾にすること。
特に「お尻の穴を後ろに向けるように意識すると、骨盤は前傾する」という説明が、
非常にしっくりきました。
2軸でなく1軸で走る。
ランニングは1本のライン上に左右交互に着地する1軸走法が正解。
1軸走法は左右への重心の移動がないためカラダへのブレが少なく、
無駄なエネルギー消費のない走りができるそうです。
また、左右のブレを脚の筋力で抑えつける2軸走法に比べると、
膝関節への負担が少なく、故障リスクが低くなるメリットもあります。
僕はこの考え方を知ってから、練習コースにラインがある場合は、
できるだけそのライン上を1軸で走るように意識しています。
③トレーニング
インターバルトレーニングは徐々に距離を短くする
インターバルトレーニングは、短い休憩を入れながら、
強度の高い短時間のハイペースのランニングを何度も反復させる練習法。
この本で書かれている方法は、
ダッシュの距離を1000m→800m→600m→400m→200mと徐々に短くしていきます。
(最後の200mだけは4本)
それぞれの間は200mをゆっくりジョグでつなぎます。
距離を徐々に短くする理由は2つ。
1つは、距離が毎回短くなることでカラダへの負担が少なく故障が防げること。
もう1つは、距離がだんだん短くなることで心理的にラクになること。
この心理的な面は重要です。
インターバルトレーニングは即効性があって効果的な反面、とにかく苦しいので(T_T)
逆に言えば、僕はこの方法じゃないとインターバルできないです・・・
この「非常識マラソンメソッド」、本で書かれている理論・主張には
それぞれきちんと根拠が示されています。(それもわかりやすく!)
胡散臭いと感じた僕の第一印象は、良い意味で裏切られました。
個人的にはラン本№1です。
【走行距離28.4km】